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■□■ストーリー■□■
俺が住むのは、単線が1本あるだけで他には何もない小さな町。
いや、耳が潰れるほどにやかましく鳴くセミたちもいたか。
俺・高村由利は、この町で姉のほのかと二人で暮らしている。
天体観測が趣味で、将来宇宙飛行士になりたいと考えている、
平凡な学生だ。
この町は何もないが、それだけに空が綺麗で、夜になると満天の星空になる。
特に、裏山にある池の畔で見る光景は、どこの空にも負けないぐらいの光景だ。
澄んだ水面が星空を写し、宇宙にいるような気分になる。
今日も、星を見るために裏山へと足を伸ばしてみたが、
俺しか知らないはずの秘密の場所には既に人影があった。
和服を着て雰囲気は違っていたけれど、彼女はクラスメイトの 九龍明日羽 に間違いない。
しかしそこにいた彼女は、普段の内向的なお嬢様ではなかった。
那美。
そう名乗った彼女は、嘲りにも似た微笑で俺に告げる。
「その瞳、大事にするが良い。
遠からずおぬしの運命に関わるであろうからな」
それが全ての始まり。
俺が住んでいた“日常”から“非日常”へ踏み出した
最初だった──
■□■登場キャラクター■□■
●九龍 明日羽(くりゅう あすは) CV:榎津まお
この地方有数の旧華族・九龍家の一人娘。純真無垢な箱入りお嬢様。
どちらかというと内向的で、男性全般に殆ど免疫がなく、
主人公が近づいただけで赤面し、接触でもしようものなら気絶するほど。
箱入り娘なだけあって世俗的な事に疎く、天文部員達を驚かせている。
立場・外見的なもので見過ごされがちだが、実はかなりの頑固者で、思い込みが激しい。
九龍家の束縛に従いつつも、自由を求めている。
物語序盤、ふとした切っ掛けで天文部に入部する。
「お星様って、いいですよね」
●那美(なみ) CV:榎津まお
明日羽の中にある、もう一つの人格。妙に古めかしい言葉を使う。
明日羽が体験したことは殆ど覚えているが、那美が体験したことは明日羽の記憶にはない。
また、自らが二重人格であることを、明日羽は知らない。
基本的に感情が希薄で、常に飄々とした態度を取っている。
だが、なぜか主人公の事を気に入ったようで、
根も葉もない事を口にしては、主人公が戸惑うのを楽しんでいる節がある。
「その瞳、大事にするがよい」
●九龍 美咲(くりゅう みさき) CV:早乙女綾
常に明日羽の側に控えて、護衛を自称する少女。
普段から神経質なほどに明日羽に気を配り、緊張感を漂わせている。
文武両道を目指し、自分にも他人(明日羽を除く)にも厳しい。
その割りには短気で、また、考えている事が表情に出やすい。
常に白鞘の太刀を持ち歩き、一部男子学生から恐れられている。
明日羽を立てる為に影武者に徹しようとしているが、熱しやすい性格のために
良く短気を起こし、映達を鞘で殴りつけては、明日羽にたしなめられている。
「自分はお嬢様をお守りする盾であり、あらゆる障害を排除する刃だ」
●高村 ほのか(たかむら ほのか) CV:内野ぽち
主人公の姉であると同時に、学園での担任。
両親を幼少の頃に事故で失い、その後一緒に暮らしていた祖母も数年前に他界。
以後、二人きりで暮らしている。
年の割に苦労しているはずなのだが、表面上はおくびにも出さず、
毎日主人公が作る料理を楽しみに生きているような楽天家。
また、苦労しているわりに生活力は皆無で、家事炊事は全滅。
但しお茶を淹れることに関しては誰も敵わない。
大人らしい分別や落ち着きもあまり持ち合わせていないため、教師扱いしてもらえない。
その分、学生たちには人気がある。
「これでもれっきとした先生なんだから。
あっ、学園ではねーちゃんって言っちゃ駄目だってば〜」
●日乃宮 和奏(ひのみや わかな) CV:草野花恋
主人公の家の近所に建っている神社の一人娘。
幼い頃から一緒で、いわゆる幼馴染みの間柄。祖父と二人で暮らしている。
面倒見がよく、たまに主人公の家に食事をお裾分けに来る。
祖父のしっかりした教育の甲斐無く、娘と呼ぶのもはばかれる大雑把な娘に育ってしまっている。
外見は小柄で可愛らしいのだが、中身は乱暴を通り越して粗暴(主人公談)。
平たく言うと“男勝りな女の子”。
天文部員であると同時に風紀委員も兼ねており、
生来の性格もあって、周囲からは口うるさい小姑扱いされている。
「あんだよぉ、胸がでかいからって馬鹿にするなよ〜っ!」
●烏丸 千早(からすま ちはや) CV:遠野そよぎ
和奏の親友で、唯一まともに部活に従事している天文部員。
学園の近所で一人暮らしをしているらしいのだが、割と正体不明。
天体観測以外にも機械いじりを趣味にし、ハイスペックのノートパソコンを持ち歩いている。
口数も感情の起伏も少なく、強気で出しゃばり屋の多い仲間達の中では影に隠れがち。
性格は素直で正直。核心を突いた意見で相手を凹ますこともあるが本人は無自覚である。
「ボクに何か用?」