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■ストーリー
かつて少年だった男───河嶋秀弥は、死ぬことを望んだ。
既に80を超える老齢となり、身体も満足に動かない。
生きる目的を見失っていた男はついに、自らの喉へナイフを突き立て、この世と決別する。
若かったあの頃に戻れたら、もう一度青春時代を過ごせたなら……そう願いながら。
だが意識が途切れる直前、少女のような声が耳に入った。
「ボクがその願いを叶えてあげる」
目を覚ました秀弥は、驚愕する。そこは60年前の世界で、身体も若返っていた。
実家に帰ると、亡くなったはずの両親や若かりし頃の姉が出迎えてくれる。
自らの願いが叶ったと、混乱しながらも歓喜しつつ自分の部屋へと入る秀弥。
だがそこには、かろうじて人型とわかる異形の怪物がいた。
震える秀弥の前で、怪物が言葉を紡ぐ。
あの時───意識が途切れる直前に聞こえた、少女のような声で。
「ボクは死神のオーグメント。死にかけていたキミの時間を戻したのはボクさ」
使命は、幸福の果てに亡くなった人間の魂を刈り取ることだと言う。
そう、望むのは秀弥の魂。願うのは秀弥の幸せ。
相反するような2つの思いを叶えるため、ここに来た。
追想の中、死神と共に奏でる幸せの行方は───
■登場人物
●河嶋 秀弥
生涯独身でヨボヨボの爺さんの身だったが、
自殺中に時を巻き戻されて若かりし頃に戻った本編の主人公。
学生時代、顔は悪くない上に運動も勉強もそこそこにこなしていたが、
たまたま女性関係には全く縁が無かった。
気持ちまで若返ってはいるが、80年生きた人間としてどこか達観した部分も備えている。
死神オーグメントにタイムスリップする能力を与えられるが、
トリガーが自分の喉を突き刺すことなので、おいそれと時を戻せないのが最近の悩み。
今度こそ幸せな人生を歩むため、オーグメントの助力を得ながらも奮闘する。
若返ってからは、守村学園2年B組の学生として学園に通うことになる。
「まさか、本当に60年前なのか…?」
●梅川 詩帆 (CV:計名さや香)
守村学園2年B組。
秀弥の幼なじみでクラスメイトでモテモテ(なのだが、本人はその自覚ナシ)
梅川家は河嶋家のご近所さんなので、家族ぐるみで付き合いがある。
お陰で秀弥とは小さな頃から、一緒に仲良く遊んで育った。
喧嘩した訳ではないが、数年前から徐々に秀弥とは疎遠になっている。
「あ、河嶋くん。おはよう」
●陣 紗月 (CV:上田朱音)
守村学園の2年生で、秀弥と詩帆の隣のAクラス。
詩帆と仲が良い。
かわいく強気で気難しい、テンション高い女の子。
秀弥とはひょんな事から知り合うが、顔を合わせると口論ばかり。
兄がいることを隠しているが、実はちょっと……いや、かなりブラコン。
そんな兄の友明いわく『目に入れて脳が口からハミ出ても痛くないほどかわいい』らしい。
「ところで、アンタ一体誰よ。詩帆の知り合い?」
●裾野辺 菜実 (CV:あじ秋刀魚)
守村学園の1年生で、この春入学したばかり。
実家を出て、学園の英語教師である姉と二人暮らしをしている。
クールだけど色々気の利く後輩。
よく猟奇的でインパクトあるセリフを口走る事もある女の子。
実は動物好きの料理好き。最近では作物を育てる事にも興味津々。
名前がおいしそう。
「ううん。わたしも……生き物が死ぬのは、つらい」
●死神・オーグメント (CV:奥山歩)
異形の怪物であり、自らを死神と称している。
かろうじて人型と認識できるが、秀弥以外からは見えないようだ。
老人だった秀弥の時間を巻き戻した張本人であり、
自らの目的のため秀弥を幸せにしようと色々協力する。
外見に似合わず声は少女のようにかわいらしいが、ボクっ子である。
「さあ、死のう。幸せがキミを待っている」