●雪桜
11月、橘裕志(たちばなゆうじ)は両親の海外への長期出張に伴い、
北国のこの街へ、叔父に世話になる事になる。
何となく将来の展望を見いだせない裕志は、叔父の進めるままに学校を転校。
静かな片田舎の北国は、そんな彼を拒むように寒々しかった。
叔父の家には幼い頃からの喧嘩相手である、従姉の「沙紀(さき)」が居て、
元より豪快な性格の叔父と三人、慌ただしく毎日が過ぎて行く。
そして、学校でも沙紀の友人達になかば強○的に加わる事になってしまう。
気の良い男友達の「住吉(すみよし)」に、沙紀の親友である女の子の「みさき」と「こずえ」と出会い、
主人公は徐々に彼女達とうち解けあって行くのだった。
それからというもの、何をするにもこの5人が一緒だった。
そしてみさきの姉であり、教師でもある「美里(みさと)」や、
委員会の先輩である「玲(れい)」とも親しくなる。
玲の実家である如月神社には、一月の雪降る中に花を咲かせると言う「雪桜」の伝説がある。
裕志は何となくそれに惹かれてゆく。