●リネット (CV:柏木逢花)
意識というものが芽生えてからずっと、この城にいる自動人形。
造られてこのかた『魂』を欲している。
魂を渇望するが余り、残虐なことにも手を出してきたが、相手が城に迷い込んだ野盗などであったため、あまり気にしていない。
その態度は横柄で横暴。
たまに暴走しそうになることもあるが、その度にメイドによってたしなめられている。
「21グラム――。それが、魂の重さなのだというわ。私には、それが足りないの。」
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注意:(VJ011334)「人形姫の城 ~貴方はもう、あたしの下僕~」と内容の重複があります。
『人の魂の重さは21グラム』――そんな学説が世に出たのは、1907年のこと。
戦後の恐慌で世界が荒れていてもなお、産業革命によって人々は未来に希望を抱いていた、そんな時代。
まさに時代は、近代現代の分水嶺。
『科学』が世界を覆っていく中、これまで人々の心を支配していた『魔術』も、未だに力を持っていた。
英国の山奥……誰も近寄らぬ場所に、その城は建っている。
もし誤ってその中に迷い込んでしまえば、『魂』を取られてしまう……。
そのような噂話とも寓話ともつかぬ伝説が、英国にはあった。
その城にいるのは魔女か、はたまた吸血鬼か。それとも――。
その真相は、誰にもわからない。
なぜなら、その城に迷い込んで帰ってきた者は“いない”のだから。
「――私は、魂がほしいの」
青年に相対した少女は、まるで虚空にでも呟くようにそう告げた。
青年の名は夏目明彦。
日本の学生であり、見聞を広めるため、ここ英国へ留学に来た。
そんな時、友人のジャックから深い森の奥にある廃城の噂を聞いてしまう。
足を踏み入れたが最後――誰も帰ってきた者はいない、と
馬鹿馬鹿しいと笑い飛ばした明彦だったが、ある日興味本位で足を踏み入れてしまった。
この、人々から魔の城と恐れられる、古城へと。
そこで出会ったのは、恐ろしいほどに美しい少女。いや、少女というのは正しくない。
なぜなら彼女は、とてつもなく精巧に造られた『自動人形』だったからである。
人に造られた存在――。
だから、彼女には魂がない。
彼女は、もう何年も魂を欲しているのだという。
少女のような可憐な笑みも、時折見せる寂しげな目元も、全ては人間が計算し、刻み込んだ紛い物。
いくら本物のように見えようと、人形であることに変わりない。
『完璧』を求めて造られた彼女にとって、それは耐えがたきことだった。
魂――。魂さえ有れば、本物になれる――と。
彼女はそう信じていた。
そして久々にこの城に足を踏み入れたのが、明彦だった。
これまで出会った人間とどこかが違う明彦に、少女は何故か心を動かされ、しばらく生かしておくことにする。
かくして、命を預けることになったこの少女との、不思議な生活が幕を開けた――
●リネット (CV:柏木逢花)
意識というものが芽生えてからずっと、この城にいる自動人形。
造られてこのかた『魂』を欲している。
魂を渇望するが余り、残虐なことにも手を出してきたが、相手が城に迷い込んだ野盗などであったため、あまり気にしていない。
その態度は横柄で横暴。
たまに暴走しそうになることもあるが、その度にメイドによってたしなめられている。
「21グラム――。それが、魂の重さなのだというわ。私には、それが足りないの。」
●アン (CV:澤乃都留)
リネットと一緒に昔からこの城に暮らし、リネットを支えるメイド型自動人形。
メイド型というのは、いくつか造られた中のバリエーションの一つである。
家事に特化してしまっているため、あまりコミュニケーションは得意ではない。
「リネット様は、どうしてあの男を殺してしまわないのですか?」
●ジャック
主人公が留学先で出会ったイギリス人。
オカルトマニアで、怪しげな知識を集めることに余念がない。
当然ながら友人は少なく、主人公も最初は近寄るまいと思ったが、なぜだかなつかれてしまう。
「僕と一緒に楽しい楽しいオカルトライフを満喫しようじゃないか!」
●夏目 明彦(主人公)
留学ではるばる英国までやってきた、日本の学生。
幼い頃に妹を亡くしてしまったことを、未だに悔やんでいる。
以来、生と死について考えるようになり、医学部で学ぶ。
「はぁ……。俺が行くと思うか? 一人で、薄気味悪い廃城なんかに」