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■プロローグ
季節は春。
山頂の雪解け水が川に注がれ、透明な春の息吹を音で伝えてくれる。
男は宿の予約をしていた。
その宿は人里離れた田舎町……秘境と言っていいほどの山間にある。
道は途中から舗装されて居らず砂利になっていたし、近場のバス停からここにくるまで15分も歩いた。
しかも、そのバスですら1日に2本しか通っていない。
男がこの宿を予約したのはただの興味からだった。
観光パンフの隅に小さく名前と電話番号が記載されていただけの宿だったからだ。
ネットで調べても本で調べても何一つ情報が出てこなかったので、電話で予約をした。
受話器から聞こえる声は若く品のある女性の声だった……丁寧でとにかく安心できる声色だった。
男はバス停からの道順を聞いてここまできたが、道に迷ってしまっていた。
時刻は夕方。周囲に人影はなく、夕陽が寂しく男を照らし影が伸びていく。
男は『もう少し調べておけばよかったか……』とうなだれる……とその時、背後から声がかかる。
【菖蒲】
こんなところで、黄昏れていると……クマにでも襲われちゃいますよ?
女性は黒髪で和服……その声は受話器から聞こえてきたあの声と、同じだった。
■作品構成[収録内容]
全篇:76分
・夕の部
1:出会い(4:48)……道に迷ったあなたを菖蒲が見つけます。宿までの道程、小川のせせらぎや鳥のさえずりをBGMに雑談を重ねます。
2:到着(3:30)……宿に到着するあなた。噂通りの小さな宿。ですが、どことなく懐かしい雰囲気。菖蒲はあなたをおもてなしするべく、膝枕を促します。
3:右耳かき(10:39)……菖蒲の膝に頭を預けての耳かき。縁側から外を眺め、時間はゆっくりと流れます。菖蒲とあなたを邪魔する存在は誰もいません。
4:左耳かき(8:05)……あなたの顔は菖蒲のお腹に向いてます。耳かきをしながらの菖蒲の思い出話は、きっとあなたを癒やしてくれるでしょう。
5:また夜に(3:02)……耳かきを終え、十分リラックスしたあなた。菖蒲は夜が楽しみという言葉を残し、あなたの部屋を後にします。
・夜の部
1:夜の縁側(4:15)……食事を終え、風呂もすませたあなたは縁側で涼みます。菖蒲はお酒を片手にあなたの部屋を訪れ、ゆっくりとした晩酌がはじまります。
2:お隣とお酒(5:59)……優しい小川のせせらぎと虫の声があなたと菖蒲だけの空間を作ります。あなたの隣に座った菖蒲はお酒のせいだと理由をつけ、あなたに急接近。耳元での囁きがはじまります。
3:右耳舐め(14:21)……ゆっくりと、急くことない耳舐め。次第に熱を帯びていくあなた。菖蒲はそれに気付きつつも、優しく遅々とした舌の動きと吐息で耳を舐めていきます。
4:左耳舐めと大人のお世話(16:47)……菖蒲はあなたの身体に気付き、左の耳を舐めながらお世話をしていきます。あなたはされるがまま、菖蒲はあなたを最後までおもてなしします。
5:また明日(4:20)……夜も更け、後は寝るだけとなりました。おやすみなさい、旦那様。
■作品ポイント
・音源使い回しなし……吐息、耳舐めなど全ての音声は、その時その場面のみで流れに乗っての演じて頂いております。全て録り下ろしで使い回しは一切しておりません。
・睡眠誘導……耳かき、耳舐め時の台詞や効果音、全てにこだわりました。非常にゆったりと、柔らかい音になっております。長時間聞いても大丈夫なように、五月蠅くなく、台詞もなるべくゆったりと心地の良い感じに演じて頂いております。睡眠誘導の効果も、ある……と、思います。
・全てバイノーラル……全篇を通じてバイノーラルで収録しております。目を瞑り、布団に横になり、音に集中して頂き、この世界に是非没入してください。
■サークルTwitter
https://twitter.com/utakata2017
■出演
菖蒲:歩サラ
■制作
サークル:うたかた
シナリオ,編集:尼子直次
イラスト:池谷神楽