レビューを報告する

  • 1.情報入力
  • 2.報告完了

このレビューを掲載しないほうがよいとお考えの場合は、理由をご入力の上、[報告する]ボタンをクリックしてください。
この報告は、レビューの削除をお約束するものではありません。内容によっては、削除されない場合もございますのであらかじめご了承ください。

「時間が止まればいいのに」 へのレビュー

オススメ! 幼女愛の極北

2023年10月20日   アビー さん

このレビューは参考になった x 0人

レビュアーが選んだジャンル :

鬼才、LOの到達点などと書評が絶賛の嵐だったので、興味を引かれて購入しました。
「表紙からしてあまり明るい作風ではないのかな…無理矢理はあんまり好きじゃないんだよな…」とか予想しつつ読んでみると、それは半分くらいは当たっていて、半分くらい裏切られたような気持ちになった。
どの作品も全て少女の合意なく性的な接触が行われている。(シチュエーションに差はあれど)
それでもそこに嫌悪感をあまり抱かずに済んだのは、語り部であり主人公である男の心情が、建前や自己保身もなく、つらつらと書かれていたからだと思う。
そこにはどこか諦念が見え、その心情に至るまでの男の人生にまで思いを馳せてしまったからかもしれない。
漫画の最初のページを飾る「ストップウォッチ」では、男教師が時間停止の技を駆使して、少女を玩具のように淡々ともてあそぶ。少女の体を繰り返し開くことで、いつか自分を愛するようになることを夢見る。けれど「ストップウォッチ」の続編では、少女の優しさに触れたことで、少女の幸せのために姿を消すことを選ぶ。
一方で巻末の「生まれてきてくれてありがとう」では、時間停止なんて夢物語があり得ない現実の世界で、少女を強姦する男の滑稽な姿とその心情が綴られる。少女の予想以上の抵抗に怯み、それでも本意を遂げる。最後、もはや無抵抗となった少女にそっと語りかける「みうちゃん 男に低い声で名前を呼ばれるたび 僕のこと思い出して」「恋人ができても結婚してもママになっても ずっとずっと僕が初めて 死ぬまで覚えてて」。まるでというか、もはや少女の人生に呪いをかけて幕を閉じる。
一つの作品でこんなにも極端な作風があるとは思わなかった。そして、巻末の話に「生まれてきてくれてありがとう」を選んだことで、確かにこの漫画は傑作になったと思う。先生のコミックスがもっと読みたいと思わせると共に、読むのが怖くなる、唯一無二の漫画でした。

* は必須項目です)

理由*