本物のハードリョナラーの深淵を覗く覚悟を決めた方のみ購入するべきです。
私はそれなりにハードリョナラーで内臓描写もグロテスク表現も死亡もそれなりに楽しめる人間です。いえ、そう思い込んでいました。
ハードリョナという底の見えない海の波打ち際でぴちゃぴちゃ遊んでいただけの素人にすぎなかったんです。
作者様がノクターンノベルズで連載されておりました「逆転なしの魔法少女」にドはまりしていたので、喜び勇んで購入しました。
その作風から絶対に”引っ張られる”確信がありましたので体調を整え気合をいれて視聴しました。
使う使えない以前の問題でした。
「何も…何もそこまでしなくても…」
映画のミストやセブンで味わった鬱々とした感覚を濃縮して出されたような深淵は、自分が楽しめるレベルを遥かに超えていました。
勘違いしないで頂きたいのですが、作品の出来が悪いのでは断じてありません。藤村莉央様の熱演、読み応えのある文章、没入感を加速させるSEと音量調整。全てが一級品です。
最期の『重いドア越し響く慟哭』は耳にこびりついています。
一級品で作られた闇を煮詰めた深淵である本作は、楽しめる人間を本当に選びます。
エロというより、スリラー作品に片足突っ込んでいると言っても過言ではない本作。
どうか甘い考えで手をお出しにならないよう。素人が手を出すと数日は後を引きます。
覚悟と確固たる自己を持った上でのご購入をお勧めいたします。