クロボンさんのレビュー一覧
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2016年07月20日
既に筆者がレビューを書いている時点で、DL数が24000件越えとかなりの人気を博している本作ですので、ネットの評判ですとか、他のユーザー様のレビューを参照していただければ、概要は掴めるかと思います。そんな中、筆者はあまり下調べをせず購入した類の者ですので、そういう者の感想として読んでいただければ幸いです。
まず、ゲーム概要ですが、サークル様の紹介文では「ADV」となっていて、DLsite様の分類では「動画作品」となっていますが、これは(厳密には、ですが)後者が正しく、プレイヤーが介入してどうこうすることはなく、文章と動画を観る作品となります。なので、動画作品の色が強力なデジタルノベル、といったところが正しい分類かと思いますので、物語を能動的に動かしたい、という方にはそもそも向いていないかと思います。
また、概要を読んだだけではわかりにくい点は性癖についてです。本作は他のユーザー様のレビューにも挙がっているように、レズ+ふたなり特化の作品となりますので、それらがどうしても駄目! という方も遠慮しておいた方がよいかとは思います。
それらの上で、本作の魅力について語るならば、やはり絵がフルアニメーションでよく動くという点ではないでしょうか。筆者はそこまでアニメに詳しくないので、観る人によりけりとは思いますが、著明に作画が崩れてしまっていたり、構図がエロくないとか観づらい・おかしなことになっているといった要素も見受けられなかったので、かなりハイクオリティに仕上がっていると思います。なので、お値段に見合った豪華な作品だと思います。
機能が類似した作品としては、商業作の『ものべの』『まいてつ』がインターフェースとアニメがよく動くという2つの意味合いで近いのではないかと感じました。つまりは同人作でありながら商業に劣らない魅力がある作品だと思いますので、是非プレイしてみて下さい。
レビュアーが選んだジャンル
そもそもの作品紹介や他のユーザー様のレビューにも挙げられてますが、本作品はゲームではなく、動画作品ですので、自分の好きなシチュエーションをコマンドし、再生するというかたちは取りますが、シチュのアンロックですとか、エンディングとかはありません。詰まる所、操作性のよいエロアニメとなります。シチュはお風呂プレイ(基本、あわあわですので、気分はソープに近いです)一択ですが、細かいプレイ内容は色々選べます。
一応、プロローグは紙芝居方式のADVですが、作品紹介で記載されている以上の情報は出ません。ボイスもプロローグパートは入っていないので、すぐに終わります(初回からスキップ可で、シチュの概要を説明しているだけです)。
肝心の本編はものすごく動画のクオリティが高く、よく動きます。プロローグ以降は紙芝居方式ではなく、動画ですので、地の文ですとか、セリフなどは表示されず、ヒロインのボイスと効果音、動画のみの演出となりますが、上手くエロい描写ができており、実用性のある作品だと思います。
個人的には商業のエロアニメより明らかに安価でかつ、同じくヌルヌル動くことで有名な、ティンクルベル様のサークルの作品よりも動きや描写が好み(こちらは男性主観視点で、少し動きに体重が乗っている感じです。竿役が男性ですので、当たり前かもしれませんが)でしたので、おすすめの作品です。
また、今後アップデートされる予定もある、ということでしたので、演出やシチュの増加や強化がされるかも、という期待も大きいですね!
今のところ(7月15日時点で)、ノートンなどのセキュリティソフトに引っかかるようですが、これはユーザー様の母数が増え、時間が経てば解決される問題ですので、作品の価値を貶めるような要素ではないと考えます。
2016年07月16日
ジャンルとしては、ADVパートをメインとしたARPGとなるのですが、ともに独特な作りになっています。
まず、ストーリーとしては紹介文の内容が本編の大筋であり、その前にスキップ可のプロローグが入るのですが、ここが結構暗めです。かといってヒロインである摩訶不思議生物「ちちうし」のはなことの出会いや調教することになる経緯としては、欠かせないパートですので、読んだ方が良いとは思いますが、特定のヒロインに情がわく内容ですので難しいところだとは思います。そこを越せば、基本的な登場人物が色々と割り切っていることや、はなこの純真な明るさもあり、ストレスなく事が進みます。
ADVパートは基本、はなこ以外の女性キャラとHする→はなこにその経験をフィードバックする、の繰り返しに加え、牧○物語的な農作業等々ができます。同サークル様の『ライパラ』をプレイされた方ならばご存じと思いますが、「やらなくてもよいが、やれることは凄く多い」ので、色々遊べると思います。最終的には牧場経営も育成要素もはなこだけで完結するようになるのですが、それもプレイヤーしだいになるよう調整されています。
RPG面は雑魚戦はテ○ルズオブシリーズのエターニア位までのARPGをリスペクトした内容になっています(ボス戦はターン制のRPGです)。なので、それらのシリーズが好きな方におすすめですが、ゲームの性質上、RPGパートが必須要素ではないため、苦手な方でも大丈夫です。
個人の感想ですが、一番悩ましかったのが、ヒロインについてです。普通にプレイするとADVパートのメインである、はなこかARPGパート(とプロローグの)のメインであるエリンに情がわくのですが、結構な頻度で入る他のヒロインとのHシーンやイベントもあり、情の行き所が迷子になりかけることがしばしばです。裏返せばそれだけ魅力的なヒロインたち、ということですね。
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絵柄の段階でピンと来た方も多いのではないかと思いますが、全体的なノリが、80年代の後ろ~90年代初め位の、所謂「超今風」な作品です。筆者はほとんど平成生まれに近い年代ですが、少し古風な作品が好みですので、このような絵柄やストーリー、セリフ回しなどが大好きなのですが、本作はそれを「狙ってやっている」感を感じさせないのが俊逸なところだと思います。絆・勇気・愛など近年の作品では死語扱いされてしまうようなワードが頻回に出てくること、明るくスケベ(他のユーザー様のレビューにも挙がってますが、近年の「えっち」な作品は基本、羞恥心を重んじているので、本作は「スケベ」が適切な表現かと思います)な作風はほぼ唯一無二と言ってよいのではないでしょうか。
RPGとしても俊逸で、構成自体はド○クエ式の短編RPGを繋げて、1つの大きな物語にするかたちをとっていますが、戦闘バランスがよくできていて、所謂、ド○クエ式のターン制のステップバイステップの戦闘かと思ってプレイしていると、ステップをいきなり何段も上がってしまうようなアイテムやスキルが手に入ることがあるので、ド○クエ+wizないしはサガという感じです。多少粗いところはありますが、スリリングな内容で飽きさせないような工夫が為されていると、筆者は感じました。
また、古風な厨二病精神というか、浪漫に溢れた作品であるところがとても良いです。先に挙げたような戦闘バランスについても、wizで強力なアーティファクトを手に入れたときのような(近年の作品ではデ○ンズやダー○ソウルと言えばわかりやすいでしょうか)、喜びや興奮も浪漫要素の1つですし、無駄にかっこいい英文(タイトル画面の序文やダンジョン名など)や、コマンド入力時のキャラごとのセリフやTRPG風の語りなどなど、色んな浪漫が詰まっている作品ですので、ぜひおすすめしたい作品であると思います。
当サークル、夜のひつじのporori先生は、別名義で商業作のシナリオライターをしている方なので、詰まる所、文章が魅力的な作品となります。
当サークルの作品は、『相思相愛ロリータ』を代表として、金銭など物理的な意味合いでなく、精神的な意味で「たらなくて、まずしい」人を題材としていることが多いのですが、本作品もそれに大別できるかと思います。
内容については、前作『相思相愛ロリータ』が「たらなくて、まずしい」人の心を癒す、プラスの作品であったのに対し、本作は上記のような人の心の暗部を晒し、丁寧に分析・文章化したマイナスの作品となります。なので、前作の癒し要素「だけ」を求めている方は回れ右、でよいと思います。
逆に、前作の内容(筆者は特にエンディングでした)に嘘を感じた方、同サークルの過去作に散りばめられた負の要素を回収したい方などにおすすめです。
作中で主人公の心情描写として「俺だってもうやめたい、でもやめられない、やめたいからってすぐにやめられるものでもない。何の話かって、人生のことだ。意味なんて何もない。理由だってとっくに失っている。何も無くたって、続くから続く。」という意の表現があるのですが、これにピンときた方は、この作品の世界観・メッセージ性にマッチングしていると思います。
元々、前作『相思相愛ロリータ』のような作品群に嵌ってしまう、耽ってしまうような人たち(筆者も含みます)の内実はこちらの作品で表現されているものに近いと思いますので、しっくりくる内容になっていると思います。なので、前作の癒し要素「だけ」でなく、おかくんやまこちゃんの心の暗い部分に共感できた、という方にもぜひおすすめです。
当サークル夜のひつじのporori先生は、別名義で商業作のシナリオライターをしている方なので、詰まる所、文章が魅力的な作品となります。
元々当サークルの作品は、金銭など物理的な意味合いでなく、精神的な意味で「たらなくて、まずしい」人を題材としていることが多いのですが、この作品はそれが顕著に表れており、不幸せとまでは言えないが、日常の生活で漠然と削られている、と感じている疲れてしまった方におすすめです。ちょっとわかりづらいかもしれませんが、雰囲気として類似した作家さまでは(筆者の感覚です)トノイケダイスケ先生に近く、地の文が多く、セリフ回しも独特で、ノベルス形式のADVによくマッチしていると思います。
作中で、ヒロインのまこちゃんが「正しいかうそかも、善いか悪いかも、明日が来て欲しいという気持ちとは関係がないよ」というセリフを言うのですが、それに続いて主人公、おかくんの心情(地の文)で「そうかもしれない、僕だって正しくあろうとしてきた、善くあろうとしてきた、でもそれで救われた気持ちになることはなかった。正しくあろう、善くあろうとすることで、生きていたいと思えるなにかや、生きていてもいいという許しを得ようとしていたのだけれども、それは間違っていたのかもしれない」という意の返しをするのですが、このやり取りにピンときたあなたは、本当にいつも真面目に、よく頑張っていると思うので、本作品で癒されて下さい、と切に思います。
最後に他のユーザーさまのレビューでも挙がっていましたが、当作品の主人公・ヒロインは「ともに」大事ななにかが欠けてしまっている人物ですが、ロリやタブーものにありがちな、排他的・自閉的な方向には向かって行きませんので、ご安心下さい。
筆者は元々『相思相愛ロリータ』および夜のひつじの作品群のファンですので、初のサントラとなる本作品をサントラ目的だけで購入したのですが、案外、催眠音声の方もよくできており、お値段以上の作品になっていると思います。
というのも、筆者は仕事柄、医療の知識・技術があるのですが、催眠音声の方はある程度、ちゃんとエビデンス(根拠)がある方法をとっていたので、まこちゃん(ヒロイン)のキャラクター性が合わさって、『相思相愛ロリータ』のファンならばより効果的であると考えるからです。この手の催眠音声というかリラックス法は、適切な手順を踏むことも大切ですが、「その気にさせる」ことも重要なファクターですので、まこちゃんの声や語りが好きならば、なお効果が期待できます。
サントラの方も大変よいです。メインテーマの「ぼくらの性」やエンディングテーマの「相思相愛」をはじめ、ピアノ単の曲目は凄く雰囲気が出ています。
雰囲気としては一昔前のゲームですが、『さくらむすび』の安瀬聖先生の「さくら」のようにピアノ単の旋律が見事に作品世界とマッチングしている感じでした。
レビュアーが選んだジャンル
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DL数が筆者が購入した時点で、10000越えとかなりの人気を博している作品と思いますので、他のユーザー様のレビューから大体の内容は了解できるかと思います。
所謂「~のアトリエ」シリーズをリスペクトした本作ですが、本家? にあるような無駄に長いシナリオや演出はなく、戦闘面もサクサクと進むので、ストレスなく遊べる作品となっていました。その上で、世界観構成がかなり上手くできており、同ツールを使った作品群の中でも群を抜いて、美しく、細やかな演出が為されているので、気になった方は是非! と言えるような出来栄えです。世界観重視という意味では、リスペクト先が同じな「刻の工房」を彷彿させますが、あちらのような時間制限は特にないので、色々な可能性をじっくりと模索していくことも可能です。
サークル様の説明にあるように処女プレイ可で、RPG的な意味合いでは、処女/非処女双方のボーナスで決定的な差はつかないので、プレイヤーのロールプレイ(好み)しだいかと思います。クリア後に全シーン回想のアンロックがついているので、安心して? プレイができる仕様になっていますが、Hシーン前後の演出も俊逸ですので、それらを観たい方は非処女のロールプレイを。どうしてもルネの処女を守りたい方は処女のロールプレイをと色々遊べる仕様になっています。
同ジャンルの中ではかなりの人気を博しているサークル様なので、他のユーザー様のレビューを参照されると了解していただけるとは思いますが、Hシーンが、レズ・触手・ふたなり・異種姦がほぼ全てという色々と振り切った作品です。なのでこれらがどうしても駄目! という方は遠慮しておいた方がよいと思います。
その上で、作品の魅力を語るならば、RPGとしてよくできている、という点です。筆者的に一番凄いと感じたところは作品全体を支える文章力の高さで、上記のような異常な世界観にも関わらず、「まあ、いいか」と思えるような、コメディテイストの掛け合いがとてもセンスがよいです。設定と内容は異常もいいところなのですが、少しゲスい主人公とその仲間たちの軽快なコメディを読んでいると、自然と惹き込まれていく魅力があり、世界観構成に成功している作品と感じました。
戦闘は、とにかくストレスが少なく、サクサクと進んでいきます。所謂、ステップバイステップのRPGではあるのですが、兎に角、仲間キャラの数が多く、基本的には後に仲間になるキャラが強めの設定になっているので、色々なキャラを楽しみつつ、少しきつくなったらキャラを交替していくかたちがラクと思います。
元々、筆者はレズ・触手・ふたなり・異種姦が駄目な方な人間なのですが、この手のRPGとしては(世界観が)やさしめな作品と、知人に勧められプレイしてみたところ、見事にはまったので、苦手意識のある方にもおすすめできると思います。
総じて、お値段以上の作品に仕上がっていると思いますので、是非、プレイしてみて下さい!
2016年07月03日
本作品の一番の魅力は? と言われれば、ストーリー(シナリオ)であるかと思います。
まず、緩やかにですが、同サークル様の前作・前々作の世界観を引き継いでおり、基本的にはダークファンタジーを基調とした世界観です。
次に前作の序文を引用すると、「決していい事ばかりでない、辛くて過酷な、けれども儚くて眩しい旅の話」と語られていましたが、本作でもこの路線から大きな変更はなく、儚さ・切なさを強調した内容ではありますが、後読感はよく、最後まで楽しめる作品と思います。
また、あくまで前作と比較してですが、主人公たちのユーモアがより増し、コメディ的なやりとりが多くなっています。なので、プレイして陰鬱な気分になることはあまりないです。加えて本作は前作には基本存在しなかった、和姦のHシーンが多めに登場するので、ダークファンタジーが苦手な方にもおすすめです。
RPGとしては易しめですが、本作のreadme(説明書)に記載のある通り、普通にモンスターを倒してもあまりレベルアップしないので、戦闘中に特定のアイテムを使う、アイテムを合成する、サブイベントをクリアするなどしてレべリングしていく必要があります。
また、スキル習得については装備と紐がついている、F○9形式ですのでシステムを理解して、一早く有用スキルを習得できるかにかかっていると思います。
最後に、私的な感想ですが、RPGとしてもADVとしても比較的易しめな内容となっている本作は、この手のエロRPG初心者の方が触れてみるには最適な内容になっていると思いますので、当ジャンルが苦手な方もトライしてみてはいかがでしょうか?