これも面白い一冊です。
一巻丸ごと『闇に這う者』のお話に使っているので、主人公が徐々に正気を失う様子が丁寧に描かれています。
本作の主人公ロバート・ブレイクは作家兼画家で郊外の高台にあるアトリエから双眼鏡で遠見をするのが息抜きでした。
(ヒッチコックの映画か何かでも裏道(裏窓?)を覗く話があったような?何かを覗き見る楽しみ?本作はアメリカの片田舎の風景がいいんだな。)
で、ロバートさんは廃教会を見つけてしまう・・・。
優れた観察眼で遠目からでも変異に気づいてしまう。
そうなると物書きの性(さが)で実地調査に赴く訳です。
あとはラブクラフト作品でよくある異界との邂逅・・・。
『闇に這う者』の正体については自分で読んで確認されたし。
本書では『ネクロノミコン』『ニャルラトホテプ』『輝くトラペゾヘドロン』『アザトート』『ヨグ・ソトホーク』に関して言及あり。
ろくでもない・・・おぞましい単語の数々ですが、クトゥルフファンにはそれぞれの用語の意味・使われ方が気になるところでしょう。
是非購入して確認してください(笑)。
クライマックスの雨降りの中、忌まわしき教会の尖塔を下から見上げる絵が最高ですね。
田辺剛先生、ありがとうございます。